圧倒的な聴覚体験としてのキングクリムゾン

昨日、12/17月曜日渋谷はオーチャードホールで行われたキングクリムゾンの日本ツアーに行ってきました。

 

USAっぽいお気に入りの写真

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体験と戦慄pt.1

 

キングクリムゾンに対する個人的な思入れをまずはこの記事の筆者に対するバイアスとして記しておく方が正確な情報が得られると思うのでまずはこの項目から。

クリムゾンは、両親が聴いていたので昔から耳にしていたのですが、リアルタイムでライブに行くのは初めてです。そして、初めてリアルタイムで最新作として買ったアルバムはPower to Believeでヌーヴォーメタル華やかし頃に確か買いました(この当時、高校生でToolとDream theaterにハマっていて元ネタとして買ったのですが、当時は何だこの異物感は…だが、このアルバムキラーチューンないな…という感想)

 

体験と戦慄pt.2

 

その後、70年代のRedを大学生の時にリマスター盤で買って、どハマりしました。とにかくジョンウェットン最高〜ベースもボーカルも、フリップのクソエモいロングトーン最高、あとギターへの影響としてもオーソッドクスなジャズを弾く際にもドミナントの時と♭5と♭IIの時にホールトーンスケールが第一選択肢になるくらいの影響を受けました。もちろん、シーケンシャルにギターっぽくない単音を連打するというコンセプトも。勿論、ドラムのビルブラのポリリズムと割れたシンバルしばきまくる、ピッチの高いスネアはやばいのです。というおバカな感想。

 

体験と戦慄pt.3

 

最近になって、バンドをはじめてから大好きなメタルクリムゾンとジョンウェットン以外の時期以外も聴くようになりましたが、80年代のディシプリンをちゃんと持ってはいたが、改めて深く聴きはじめたのですが、ディシプリンには大いなる気づきがありました。

それは、マスロック、ポストロックの殆どのコンセプトは80年代クリムゾンで完成されているという事。正直な話、バトルズやtoeなどを聴いてもアンサンブルやコンセプトとしてはディシプリンのコンセプトの派生形にしか聴こえない、逆を言うとこのアルバムはオーパーツなのではないか?という気づき。しかもこのアルバムは無機質ではないミュージシャンシップが尊い…という気づき。これは今だに。

 

体験と戦慄pt.4

 

近年は、あまりにクリムゾン、全キャリア聴き倒し過ぎてしまったのでジェネシス新鮮だな〜、とかスティーブンウィルソン諸作ばっかり聴いていました、正直。もちろん、オーケンのごとくたまにスターレス聴いて精神不安な時は、泣いていましたが笑、

 

さあ、前置きが長くなりましたが、ついにレポです。

 

体験と戦慄pt.5 

ついに迎えたライブ当日、グッズもしっかり太陽と戦慄Tシャツをゲットしました(このデザインが一番好き、一番好きなアルバムはRedなのですが)

席でスマホをいじってるだけで、係員に怒られてしまうので、この緊張感ライブ前からさすがなので大人しくプリンス録音術を読んでました。そして、フリップ先生のクリムゾンでパーティしましょうという謎アナウンスで始まります(パーティというよりは、ジャズ喫茶的な厳粛な固唾を呑む雰囲気でしたが笑笑)

最初は、ドラムソロからはじまったのですが、123、223、1みたいな謎カウントからとんでもないスリードラムのドラムソロで始まりました。通常コンサートにおけるドラムソロは往々にして名人芸でだれるみたいなところが多いのですが、三人のドラマーにおけるコンペティションのせいか緊迫感と微妙なタイム感の違いとタムの音程感は寄せているが、金物は性質が違う音が重なって、まるで繊細なカテドラルのような壮大な建築のような構築性と多層性がレイヤーされているという彦摩呂のグルメレポのような感想でした。

その後のDisciplinで完全にポリリズムの奔流でこんなに踊れるリズムをかましてくるのか、まるでdcprgみたいじゃあないか・・・というアホのように呆けてしまいました。

その後、リザード組曲(地味に好きな奴だやったーというアホな感想)で、音程のよいボズバレルが憑依したかのような圧倒的なジャッコのボーカル、フリップの歌いまくる、伸びまくるロングトーン(ただひたすらに弾きまくっているのだが、美しい)

 そして、前半最後はムーンチャイルドからのインプロ、宮殿。そして前半indisciplinで終了という。ムーンチャイルドのインプロ、緊張感がやばくてフリップのインプロがメインメロディが崩壊していく様をごく短い瞬間で無伴奏で、デレクベイリーかのような痙攣したひきつったピッキングで紡がれる破壊されたメインメロが美しすぎて酩酊してしまい、最後のビルリーフリンのドビュッシー的なフランス印象派かのような美しい浮遊感のある6thのサウンドで完全に向こうのセカイにいってしまいそうでした。

今回、redの曲もredにonemore red nightmareと大盤振る舞い。redのあの安定感のあるパートですらアレンジされ、八分音符一個かっとされていて不安定ではあるが明瞭なアクセントで破壊的にアレンジされているの印象的。

 

後半も、easy moneyに、大好きなfallen angel。最後の方は好きな曲が連発されていて正直記憶が吹っ飛んでおりました。fallen angelって超名曲じゃないこの並びで聴くと尋常じゃなくポップな曲だし、フリップのフィルインかっこよすぎるので。こんな曲が書けたら本当に音楽的に思うところなくなる―というおバカな感想が生まれました。

そして、本編最後のスターレス(最初の一音の時点で叫び声をあげてしまい、2階席ののみな様、申し訳なかったです。)破壊的なシーケンシャルパートからこのコンサート中一切動かなかった照明が赤く染まり、破壊的になってさいごのメルコリンズのサックスとフリップのユニゾンで昇天という感じでした。最後、気づいたら汗だくになっていた、座っていただけなのに・・・。

 

何がなんでも犠牲を払って迷っている方は、今日か明日の東京公演いきましょう。

ぼくは、水曜日もとろうか既に迷っております・・・、

願わくは次回来日のため、明日パーカーは、買いにまいります。

それでは、ごきげんよう

 

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