【大晦日】indiegrabの一部メンバーが選ぶ2018年の10作品コメント

indiegrabの年末記事オオシマトモヒロのセレクトした作品と

コメントをブログで補足させていただきます。

 

今回のセレクトは、リファレンスとしてただ自宅のitunes上+モバイルなどのspotifyでよく再生されていたものを上から10枚リストアップしてみたら、あら何かこれはこれでいいかも…となったのでそれを順不同で羅列してみました。昔のフュージョンで言うところのダイレクトカッティングです。

(手抜きではないのです、肥大した自己意識をただただ消していく為、コンセプチュアルでテクニークなメソッドなのです…)

 

総評は、個人的には生の演奏、フィジカルでマッシブで演奏、声それだけで聴かせるあとエモさというのに圧倒的に惹かれていた(エレクトロ全盛で聴いてはいるし結構好きなのだけど)という年でした。

 

【今年の10枚】

1. CRCK/LCKS - Double Rift

なんだかんだ今年一番聴いた盤です。keyとvoの小田さんの盤は、シャーマン狩り以降cerodcprg以降全てチェックしていたのですが、やられちゃいましたね。Goodbye Girlの対になっているようなNo Goodbyeでの32分の跳ねたリズムでゴリゴリやっていく感じでやられちゃって捨て曲なしで素晴らしいアルバムです。そして、このアルバム歌メロがさらに普遍的になっていてバチバチの演奏とのバランスすごい好きです。

中止になっちゃったライブのあとに今年はツイキャスの中継もよかったなぁ。

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2. オーニソロジー - 101

今年最後のニューカマーで一番ダークホース的にグッときてしまいました。

声の説得力と贅肉が一切ないマッシブなジャズのギタートリオフォーマットで、リラクシンでありながら、緊張感のある宮嶋さんのジャズギター(しかも滅茶苦茶歌伴でありながら、単体でも美しい)+バチバチのポリもかますし小技が効いているリズムセクション、そしてなによりもハスキーで陰りがあって美しいボーカル(しかも、昔の歌謡曲のスターのようなえげつないエロさがあるの)で、12月に出たアルバムでありながら滅茶苦茶中毒性があって聴いてしまいました。タブーフェスで見たときよりも演奏も歌メロのアレンジも充実していて、圧倒的充実を感じました。

来年、ライブ行きます~。

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3. Koochewsen - sweet illusion

70年代プログレに対する憧憬から、シティポップに擬態してより広い間口でありながらよくよく聴いてみるとあれこの演奏、熱を帯びてくると隠し通せないルーツという形でそのバランス感覚がとても好みでした。そして、ボーカルのリヨさんの声はずっとエモいと思っていたのですが、演奏フォーマットが洗練されてよりそこにフォーカスされている感覚が本作は強く、ボーカルにいままでのEPと比べて一番エモさを感じました。

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4. MIYAVI - SAMURAI SESSIONS vol.3

今の日本でブルースルーツのギターを鳴り響かせて、良くも悪くも圧倒的なスター感(しかも黒船感)を漂わせてるロックスターって圧倒的にMIYAVIさんでしかないと個人的には思っていますが、個人的にはBOBOさんとやっていた2ピースの時期が一番好きで、ちょっと前の時期はEDMに個人的にはよりすぎちゃってて、ギターもっと聴かせてよ~という飢餓感がありました。が、今回のアルバムトラックもトラップよりになり、ギターで雄弁に語りゲストとバチバチやる感、ヒリヒリしててゴージャスで最高でした。このアルバムで今年知った三浦大知さんもやばい、ただただ驚異的です。

(予断ですが、アルバム球体最高でした。)

あとは、ピンクスパイダー過去でたどのアレンジよりもよいですよ。 

雅時代の 咲き誇る華の様にを聴いた後に聴くとよりエモいです。

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5. 金属恵比須 - 武田家滅亡

70年代プログレへの大いなるリスペクト(うん、海より深く本当に緻密だと思います)に加えて、録音のドラムのサウンドがオーガニックでとても素敵でした(現代的なアップデートもされている感を個人的には少し感じました。)そして、ギターのアレンジとかを聴くと結構モダンへヴィ以降への目配せもされていながらまろやかな70年代サウンドっぽい感じでとれていて。非常に新鮮な感じがしました。たとえるならパッと聴きヴィンテージサウンドなんだけどちょっと少し不思議適な。あとは大河ドラマのようなサウンドで本当にNHK FMだけではなく大河ドラマのバックでなっている情景が見えるという意味で視覚喚起的な観点、素敵でした。

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6.小袋成彬 - 分離派の夏

今年、出たアルバムで唯一海の向こうのインディR&Bとかフューチャーソウル以降の音像とリズムに端正なベルベットのようなシルキーで美しい時にクラシカルですらあるアレンジで、曲構成的にはJPOP的ではないのだけれど美しいJPOP的なメロディーが乗せられていてかろうじて乗せられて奇跡的なバランスで美しい、ただただ聴いていて心地よく素敵なアルバムでした。

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7.Steven Wilson - Home Invation in concert at the Royal Albert Hall

 今年、ライブも見に行ったのですがキャリアを総括していて圧倒的に今のバンド一番いいじゃんと素直に思えた、そしてロックバンドのフォーマットで出来る限界点まで聴覚体験としてアウトスタンディングな所まで行っている現代プログレの完成系をある意味提示しているなと感じました。(過去のアルバムやライブバンドにもマルコミネマンやガスリー・ゴーヴァンなど圧倒的に知名度も上でテクニカルプレイヤーがいたのですがそれでもなお。)

そして、PT時代の曲からBlackfield、ソロなどさまざまな時期がありながら細かな作風の変遷はあれど圧倒的な構築された作曲力を発揮しているスティーブンウィルソン、天才か・・・と月並みな感想を抱いてしまいました、ぜひ。

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8.Freak Kitchen - Confusion to The Enemy

フリークキッチンは、滅茶苦茶昔から好きで特にパワーポップに寄っていた時期が好きで最近のちょっとへヴィによっているのは個人的にはピンとは来ていなかったのですが、本作すごいよかったです。

何だろう、世相を反映したフリークキッチンでありながらダークでグランジな質感、新感覚なのです。メロディーも抑え目で渋いのです(歌詞は捻くれているけど、とても楽しくて、身体が揺れるキャッチーなメロディがあるのです、毎度)今回初めて導入された8弦(7弦すっとばしていきなり8に行くギタリストも珍しい)のサウンドもへヴィというよりバリトン的なサウンドになっていて、トレードマークの楽しくコミカルめなギターソロも封印目でヒリヒリした世界的な暴動的な押し殺した怒りのようなサウンドでちょっと物悲しいのだけれど、安易な超絶技巧のユニゾンにいかない、押し殺したダークなトーンのポリリズムやリズムトラックもありついつい何度も聴いてしまう好盤でした。来日しないのかなぁ・・・。トリオでできるへヴィ系最高峰なのに。

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9.Seun Kuti & Egypt 80 - Black Times

今年ブルーノートでのライブも行ってきたのですが、夜中一番今年聴いてゆれていたアフロポップな盤でした。今回の盤は、アンサンブル的にもちょいとロックに寄っていてかつメロも強力になっていますのでアフロポップ未体験の形もぜひ。

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10.Julian Lage - Modern Love

なんだろう、カートローゼンウィンケルにのれなかったジャズギター好きは、全員是非聴いてほしいアルバムでした。ちょっとアーシーで力強く、滅茶苦茶若いのに老成されたサウンドアメリカーナ再発見、といった勢いで調理してだされたアメリカンフレンチのような飯が美味しくなる滋味深いサウンド、とても好きです。

 

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長くは、なりましたがお付き合いいただきありがとうございました。

よいお年を、それではごきげんよう