ららぽーと/ララランド

デイミアンチャゼルのララランド見てきました。

ミュージカル不感症で幾星霜過ごしてきたのですが、結構宣伝の写真の時点でこれ俺ダメかも・・・と思ったのですがそこまで思ってたほどダメではなかったです。

(宣伝の写真のヴィヴィッドな色彩とアホっぽいダンスのポーズからどういった思考回路かは説明はできないのですが、個人的に得意ではないディズニーランド的なめちゃくちゃ苦手なアウラを感じ取ってしまったのです笑、まあでもものは試しで見てか見ようというところで行ってきました。。。)

 

はい、前説以上です。

拗らせたサブカルものがみたネタバレという前提で次項、感想です。

 

トーリーは、要約してしまうと非常に平板で単純なストーリーです。

夢を追いかけてハリウッドに来た男女(女優と純粋なジャズの再興を理想のナイトクラブの経営で目指すピアニストで幾分、という過分に夢見がちでまさにララランド状態です)が色々あって付き合って、現実と折り合いをつけた男の売れ線ファンクソウル系バンドの仕事が忙しくなってすれ違い、その後女の方もチャンスを掴んでさあこれからだ。という所で男とも仲直りする。さてこれからどうなるの?

で時間軸が結構乱暴に飛びます。今まで散々、字幕で季節の表示を出していたのに。

・・・いきなり5年後へ。

大女優になった彼女がハリウッドに戻って来ます。家に帰れば素敵な旦那さんに子供達(だけど、どうやら旦那は件のジャズピアニストではないようです。)

そんな彼女が渋滞に捕まって、パーティに間に合わないとなってふらっとナイトクラブを訪れるとそこはかって付き合っていたジャズピアニストが開いたジャズのお店でした。そこで、あっ(ちょっと気まずいかも・・・)みたいな感じで見ていて、ジャズピアニストの演奏中に昔出会った時に弾いてた曲を弾き始めると、時間軸がファンタジー空間に飛んで最初から彼女との仲を(多分、ジャズピアニストの脳内フラッシュバック)で回想します。しかも彼女との仲を全てを順調に。彼女と結婚して子供まで。

脳内フラッシュバックが始まった時にアニメか!シュタインズゲートなの!?

とか一瞬思ってしまってちょっと吹きそうになっちゃったのですが、

このシーン、強烈な自分が元カノとあのまま付き合ってたらどうなったんだろう?あの時あんなことしてたらなーという各個人へのサウダーヂを産む強制力がめちゃくちゃ強くて(しかも本編を半ば打ち切りエンドのようにえいやと放り投げてえ〜って虚脱している所にこんなキマちゃってるシーンが来るとこの絶対的な強制力が働きます。なんかこの監督、昔流行ったトリップビデオみたいな観客を心理学的な誘導をしていくというか、なんというか、ちょっと絵と本の説得力じゃなくて構造的な強さとロジックで話を駆動させるという作風なんでしょうね。セッションもですね。話が脱線しました。)

最後は、現実に戻ってこれからもお互い頑張ろうね的な微笑みをして元カノは男から去っていく。で終わりという感じですね。

 

はい。ここからは俺の感想なのですが、まずはオススメ要素。

1、OPのミュージカルシーン。これ曲も良くて(レトロ風味だけど、ラテンの要素の入ったミュージカルナンバー風なケイデンスで途中フルートが入ったりで質感だけ現代的な感じで現代数寄屋みたいな感じで良いです、これ。)ダンスもロケーションも取り方も最高です。←ここが興奮の最高潮。

2、エマ・ストーン。可愛いです。なんかキャラ造形があまり掘り下げられない割に(アニメのキャラっぽい)雰囲気も演技も萌える感じでしかもなんかリアル感がある。

セッションのピザ屋の彼女も可愛かったけど、監督の趣味なんでしょうか?これ。なんか、肉付けが薄くて、アニメみたいな没入感をうむ可愛い女の子ですね。

3、ジョンレジェンド。他の歌が、メロも起伏がなくて平板で、朴訥とした歌い方をされて全然記憶に残らないんですが、この作中で非難される商業主義の権化ソング。めちゃくちゃいいですよ。わざとダサいアレンジにされているのが(やっぱ監督の自分の心理誘導効果のためにこういう感じされるのがやっぱ気にくわない、個人的に。)あるんですが、これ楽曲としてのフレームは最もいい上に、歌唱力がめちゃくちゃある歌でやられるとちょっと中盤たるくて眠たくなってたのが、一気呵成に吹っ飛んでいちゃったくらい。

次、気に食わなかった所。

セッションに引き続き、パーカーの逸話を引用しているのですが、相変わらずパーカーの支離滅裂でぐちゃぐちゃなんだけど演奏しだすと最高っていう所とブラックネスがやっぱ主役の考えから全然、伺えない。漂白された感じ。あと、ピアノの当て弾きちょっとドン引きするくらい、下手だ。。。それと主人公のピアノが音付けがどう擁護していってもヨーロピアンシネジャズっていうかこれヨーロピアンジャズトリオ的なイージーリスニング一歩手前な感じで微妙〜。なんででしょ?毎回これわざとやってるのかな。

 

話に起伏がなくて眠くなるのを一発、ジョンレジェンドかまし、最後に土俵際で力士が凶器攻撃かます位の禁じ手でバコーンってやっちゃうのなんか、各個人を洗脳して一時的にすげーの、みたってさせる感じ。なんか、透けて見えちゃっていまいち上がりきらない感じ。ちょっといけ好かないっす。

 

まあでも、ちょっと付き合って長いカップルが見たらいい感じはする!

そんなデートムービーでした。ららぽーととか歴史のない漂白されたアーバンな土地でプラスティックな彼女と見ると良いと思います!良くも悪くもデミアンチャゼルは新世代感そして、アニメっぽい。