ジョン・ウエットン

会社からの帰り際、スマホtwitterを見ながら家路までの道を急いでいたら、ジョン・ウエットン死去の訃報を目にしました。

twitter.com

かなりショックです。facebookでジェフダウンズの追悼文とカールパーマーの追悼文も読んだのですが、ジェフダウンズのかなり長文の追悼文はちょっと泣きそうになりますした。

https://www.facebook.com/asiatheband/posts/1410244505654510

 

元々、クリムゾンとUKでのベースプレイ、それになんといっても英国的としかいいようのない曇り空のようなウェットな声のその歌唱は、高校生のころからずっと好きだったのでついに生で見れずに終わってしまったことに対して慙愧の念を堪えません。Asiaに関してはそんなにフォローはしていなかったのですが、改めてこれを機会に聴いてみようと思います。クリムゾンは、グレッグレイクのベースボーカルよりも断然ジョンウェットン派でした。

King Crimson Straless


King Crimson - Starless (OFFICIAL)

とりわけ好きだったのは、ライフタイムベストアルバムに絶対入るKing CrimsonのRedの曲たちだったのですが、四の五の言わずにまだ未聴のかたは、Starlessを聴けとしかいえないです。これのイントロのメロトロンとともに入ってくるベースの音からして完璧です。(しかもその後にフリップの至高のトーンのギター入りますし。)その後のSun down dazzling day...で始まるハスキーでウェットな歌もメルコリンズのサックスと絡んでいてそれはそれは、最高です。4分半から始まる減五度音程が絡んだベースリフとその後に続くにつれ段々ファズがかっていくベースも聴くとフリップのギターがチョーキングし始めるあたりで最高にハイになりますね。その後のサックスの入った後の貯めた後のメロディアスなベースプレイとその後の短いギターソロとイントロに戻るけれど音色はファズがかったまま興奮がピークでっていうのもヤバイとしか言いようがない。(高校のころオーケンではないのだけれど狂ったようにこの曲を聴いていたのですが今まで聴いてきてこの曲って本当にけちをつけるところが一切ないのです。)まさに、理想のベース音で理想のベースプレイで理想の曲で理想のボーカルでした。(今回は、ベースにばかりこっているのだけれど言わずもがなブルッフォードのプレイも超最高です。)

 

King Crimson Fallen angel


District 97 with John Wetton - Fallen Angel, Live in New York 2013

後は、このアルバムでの歌唱でとりわけ好きなのは、この曲。(ぜひ未聴の方はスタジオ版でのすばらしいアレンジと歌唱を聴いて欲しい、このライブ版は声は良いけどバックの演奏が原曲の雰囲気を全然出せていない)一番好きなところは、四拍子から三拍子になるギターのアルペジオとその後のヤバイドラムと素晴らしいギターの裏メロでバックアップされたFallen angelのところがかなりヤバイです。

この曲の歌詞、クリムゾンぽっくない神秘思想感覚や幻想的なところが一切なくて、都市生活者のアウトサイダーの希望のない感じで唯一で特殊な曲なのですが、それもまた良しです。2番の歌詞だけちょっと引用して和訳してみましょう。

Lifetimes spent on the streets of a city
Make us the people we are
Switchblade stings in one tenth of a moment
Better get back to the car

Snow white side streets of cold New York City
Stained with his blood it all went wrong
Sick and tired blue wicked and wild
God only knows for how long

 

生涯を街の片隅で過ごしてきたことが俺らのような人間をはぐんできた。

0.1秒の瞬間、バタフライナイフの一刺し。車に戻ったほうが良かったのに。

冷たい雪の白いニューヨークの街角は、彼の血で汚れた。そうヘマをしてしまった。

病んで青い顔をした邪悪で野卑な男の余命は、神のみぞ知る。

 

レイモンドチャンドラーみたいですよね、なんだか。

そんなところも好きな曲です。今日は一日この曲とスターレスを聴こうと思います。