デヴィッド・ボウイ展 空から落ちてきた男のラビリンス

閑話休題デヴィッド・ボウイ展に行ってきました。

熱心なデヴィッド・ボウイファンとは言う訳ではないのですが、併せて映画も見たいしUKロックの歴史を考えてみるとこれを機会に改めて回顧して聴いてみたいなと。そんな属性ではあるのだけれど、好きな曲はあります。

一番好きなのはこれかな。


David Bowie - Life On Mars (2016 Mix)

ピアノがリック・ウェイクマンだった気がする。(間違っていたらごめんなさい)さもありなんというリックがあるので多分間違いないかなとは思うのですが。この時期のサバスのアルバムでも弾いているウェイクマンのプレイがイエスでのプレイよりも好きだったりします。トニーヴィスコンティの派手な弦のアレンジも後半につれてトーンアップしていってかなり好きな曲。歌詞もいいですよね。

It's on America's tortured brow
That Mickey Mouse has grown up a cow
Now the workers have struck for fame
'Cause Lennon's on sale again

一部引用になりますが、このくだりとかリリカルで好きです。

 

そんな展覧会ですが、とてもよかったです。逆にボウイの大ファンじゃなくてもあの時代の英国ロックが好きな人とかにもいい感じ。時期に分けて衣装やビデオ、楽曲の直筆の譜面や走り書きやポートレート類が展示されているのですがかなりのボリュームで。特にジギースターダストの項が顕著ではあったのだけれど、宇宙開発の世相についても補足があったり、当時の風俗論として流行りものとしてトム少佐が呼びかける曲を書い他みたいな感じでコンテクストが読み取れた(しかもそれが最初のヒット曲という)ある意味一発屋に陥ってしまった可能性もあったSpace oddity。その後のジギースターダストからのベルリンへの流れ。順を追ってみていくの興味深い体験でした。あと、まさかのクラウスノミの衣装とかも展示されてるから笑、あの時代の英国ロック好きは絶対見に行ったほうが良いです!(ボウイ展が今後あるとしてもクラウスノミに関する展示が今後日本ではあるとは思えない笑)

あとこれは余んですがボウイのマネキンがいっぱいあるのですが、滅茶苦茶スタイルが良くてコルセットを締めているのかってくらい腰が細くて脚が超長いので本当に同じ人類なのか!と思ってしまったりします。

 

f:id:sorrow-swallow:20170125125424j:plain

あと、カフェの飲み物がジントニックとかチップスとか英国パブ仕様になっていて滅茶苦茶アルコールが美味しくて長居しちゃいました。ここおすすめ。開催施設の寺田倉庫の配管剥き出しの感じも相まってちょっとデカダン

 

f:id:sorrow-swallow:20170125125502j:plain

さよならボウイ。開場を後にします。

ギターアレンジ論2

soundcloud.com

 

こちらが拙作のデモテープになります。題名もNewsong01【仮】です。こちらの構成からまずは分析していきましょう!音源の各パートは、ピアノ・エレキギター・ボーカルラインのシンセ・ドラムとなっています。

■構成 全て4/.4

■drum fill 1小節 ドラム4拍目からのスネアリムショット1発

■guitar intro  8小節 ギターによるイントロフレーズ

■1A 16小節 ボーカルイン平歌。

■1B 8小節 ボーカルサビ前Bメロ。

■1Chorus 9小節 ボーカルサビ歌。

■guitar bridge  8小節 ギターによるイントロリフ反復。

■2A 16小節 ボーカル平歌・ギタードラムバッキング変化。

■2B 8小節 ボーカルサビ前Bメロ。1Bと同様。

■2Chorus 9小節 ボーカルサビ歌。

■brake 1小節 全楽器ブレイク。

■guitar/key bridge 16小節 歌なしインストパート。

■3Chorus 9小節 ボーカルサビ歌。

■outro 8小節 ボーカルCメロ。

 

今回の2では、Bメロ前までのアナリーゼをしていきましょう。

■drum fill 1小節 ドラム4拍目からのスネアリムショット1発

最初は2拍目半から始まる一瞬ビートを失調させる感じのリズムを考えていたのですが、全体にメロ中心で綺麗にまとめる方針に変更したのでポリスの見つめていたいや割とバラードで多用される4拍目スネアに変更。

■guitar intro  8小節 ギターによるイントロフレーズ

ギター Dmaj7の分散和音基盤のフレーズ

鍵盤和音 Bm9th/F#  / Bsus4 9th / Aadd9 /Dmaj7 9th

ベースライン G / A / B / F#/

頻雑になってしまうのでベースラインと和音を分けます。

厳密にいうと1小節目に関しては、鍵盤の和音とベースがぶつかっているのですが、これが適度なテンション感になっていて二つ目の和音で解決感があるのでOKとしています。(上物がDmaj7の分散和音基盤なんで推進力が高いのでそこまで違和感ないってのもありますが。)

■1A 16小節 ボーカルイン平歌。

ギター・鍵盤和音 Bm9th/F#  / Bsus4 9th / Aadd9 /Dmaj7 9th

ベースライン G / A / B / F#/

ギターは、Eをペダルにして引いているのでB4度のペダルで浮遊感とテンションを高めているのですが、ボーカルラインが安定した上下高なので程よいテンション感に。厳密にはここもぶつかっているのですがロックだと程よくぶつけた方が良い感じ。

最後は移行時にオクターブを上げたDmaj7基盤のフレーズで重たいコード進行の後に解放感を高めています。

 

2回目は、いかがでしたか?間奏をお待ちしております。次回はさらにBメロとサビをアナリーゼしていこうと思います。

 

 

 

 

 

ギターアレンジ論1

バンドをやっています。パートは、ギター。こう書くと照れがあって恥ずかしいですが。

今は、メンバーが固まり曲のアレンジを年末に仕上げていました。今やっているバンドは、以前はギターが二人、ドラム、ベース兼ボーカルが一人という編成でしたが、ギターが一人になりかわりにピアノが入っているというのが現況です。以前の楽曲はギター二人なので音圧の担保が楽にできたのですがピアノ主体でクラ上がりのピアノさんに変更になったので今回のアレンジのコンセプトは音圧を担保しつつもギターのリードとピアノのオカズを有機的に絡ませるということになります。ピアノを主体にしてコードで音圧のみだけ担保するという方法論ではアンサンブルがいかにも量産型になってしまいますので笑、かつリードの時バッキングのギター音が薄くなるのはvan halenの1stみたいで潔い感じにはなりますが、実はバンドがシューゲイザーのバンドで、かつ弾きながら歌うベースがあまり音数を増やせない。でも、ちょこちょこリードを弾きたいというワガママもあるので笑

本稿ではコンセプトを説明したので次回以降、音源を交えつつ紹介していきましょう。

 

 

時に四月に雪は降るのねと彼女は言った。

過去の話ばかりで去年に対してオブゼッションがある人みたいなのだけれど、去年の12月にプリンスの追悼上映会に行ってきました。

 

f:id:sorrow-swallow:20170110220854j:plain

 

タイトルは、プリンスがなくなった時にエリカバドゥが言った言葉なのだけれど。今回みた映画は、sign of the times。Zepダイバーシティの音響でみるsign of the timesは、素敵な体験でした。特に改めてこの時期のライブを見るとシーラEのドラムスのパワフルさと手数の多さとグルーブがいい音響で聴くと白眉と言わざるを得ない感じで。それとキャットとシーラEがプリンスを囲んで張り合ってバチバチやってるテンション感が抜き差しならぬ緊迫感をライブに与えている気がします。あと、このライブでプリンスがサングラスをかけてるシーンがあるのだけれど、あのサングラスが超かっこいいので欲しいので誰か情報を下さい。

 


Sign Of The Times Prince

 

まあでも能書きはおいといてもこの曲のギターとボーカルしょっぱなからヤバくて、超好き。そんなミーハーな感想。それではごきげんよう。

 

 

 

モナドの領域

不勉強ながら、筒井康隆さんって実はあまり読んだことが無くて。馴染みの古本屋さんでふと見つけたモナドの領域って本を買いました。

帯がついてたんですが、"わが最高傑作にして、おそらくは最後の長篇"って書いてあったのですが、こういうかまし方が好きなので笑。 個人的には購入するときのプライオリティが高いので帯はなるべくかまして欲しいです。笑

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%8A%E3%83%89%E3%81%AE%E9%A0%98%E5%9F%9F-%E7%AD%92%E4%BA%95-%E5%BA%B7%E9%9A%86/dp/4103145323

内容は、バラバラ殺人の話が最初おかれていてサスペンス?っていう風に始まったのですがそれは枕のようなもので。(これ自体はさほど構成上重要ではないのですが最後には種明かしされます。)その後、パン屋でバラバラ殺人のバラバラにされた手にそっくりなバケットが売られる。っていうのが出だしです。この出だしだけで初めてよんだのですが、ゴリっと引きずり込まれました。繰返すようにサスペンスではないのですが。

この本は、最初読んだときの感動を大事にして欲しいのでその後の展開は、言及しませんが全知全能な存在と神学論争をした場合にどうなるのか?といったことを描いてるのですがこれが老成したSF作家の矜持であり教示でもあるかのようになぞらえられてとても素敵でした。と言及しておきます。

 

最近は、もっと読みたくてネットでやってるブログも読んでます。

笑犬楼大通り 偽文士日碌

 

 

ブルーに生まれついて

去年のクリスマス、この映画を見に渋谷の文化村へ。

 

Born to be blue

 

去年は、アニメーションもマスターピースが一杯ありましたが、音楽映画もまた豊穣な取れ高がありましたね。この映画は、結構話題になっているのでストーリーラインの解説はしないんですが、結構奇妙な映画でした。夢と現実が混濁して失調めいた感覚に陥りやすいというか。

最初は、バードランドでチェットが初公演をしてモノクロームでマイルスなどと邂逅するところが描かれているのですが、それが終わると部屋でヘロインをきめるチェットベイカーになっていてそれ自体が映画の撮影シーンでカットがかかり、主演女優を口説きにかかってるという構成になっているのです。この叙述トリックめいたかましが最初にあって時間軸が少しシンコペーションしたまま後のストーリーが展開されていくというか。(ちなみにこの映画のシーンは、後半まったくでてこないのでsus4めいた未解決感で放り投げます。)

映画自体は、チェットベイカーの伝記映画風ではあるのですが、脚色されてこんないい時間も彼にはあったらなぁという監督の願望が色濃くにじんでいて巧く現実の後半生につなげて終わります。

音楽映画ではあるのですが少しデビッドリンチめいた白昼夢を見た気分になりたい方、おススメです。

 

現実のチェットベイカーの破滅的などうしようもなさを知りたくて、終わりなき闇というチェットベイカーの伝記を探しているのですが廃盤で古本も手に入らない(きっとこんなろくでもないのが彼であるはずがないと本を読んだ人も移入しているのであろうか。)ので、図書館でこれも読んでみようと思います。

それでは、ごきげんよう。

 

 

師も逃げ出すフリージャズ

2016年、最後の日。2017年最初の日は、狂乱の2丁目とホストの痴話げんかを横目に見つつ今年再度の新宿ピットイン詣で。

 

f:id:sorrow-swallow:20170107225323j:plain

思えばピットインは、大友さんのライブや菊地さんのソロやモダンジャズディスコティークでかなり去年も行ったなー。今回のお目当ては、菊地ソロとスガダイローさんのトリオ。菊地ソロは、JZブラットでもやってるソロライブ風に歌モノとラップのみで今回はドラマーが服部さんな感じでジャズファンク・ネオソウルよりは4ビートのシンバルレガート中心でかなりジャズ仕様。ソロライブでもやってるチャーリーパーカーのブルースをスキャットでやってるのが年末に聴けて結構うれしい。MCで去年出たときにお前は何をやりたいんだって坂田明さんと(もう一人名前を失念してしまった。)に怒られたのでひたすら殺すって連呼してたチンピラ感が年の瀬ぽくって良かったです。

 

そして、今回新鮮だったのはスガダイローさん。元々、降神のラップが好きで志人のラップとコラボしてた曲は知っててライブは初参戦だったのです。


志人・スガダイロー/ニルヴァーナ-涅槃寂静- 【オフィシャルMV】

 

低音のオスティナートがゴリゴリ強烈に攻めつつグルーヴィで、ブラッドメルドゥーもかくやと思わせる右手の対位法的なモーダルな旋律なフレーズをかましまくりでテンションがあがりました。洒脱で脱構築的なそしてモチーフのシャボン玉飛んだがバラバラに脱構築されつつ白昼夢のように朧気に現れては消えるそして、最後にサックスの人が直立不動でなぜかガナリながら歌いだすと、2016年の年の瀬が走馬灯のように過ぎ去っていったり。ここがハイライトでした。まあでもゴリゴリフリージャズだったので、何曲か聴くとアッパー過ぎてツレがチルしたくなってきたのでご飯を食べに行きました。

 

最初は、プレゴに行ってみたのですが、残念ながらお休みだったので三丁目のマルゴへ。イタリアンワインはあまり知識がないのでソムリエにお任せしつつキャロットラペとフォアグラのテリーヌをつまんでいたのですがそんなこんなで年があけました。キャロットラペと盛り合わせの鴨のバルサミコはもう少しだけクドイと嬉しかったな。結構ワインがドライのピノだったので。

 

初夢は、まだ見てない。